オーディションになかなか受からないのは当たり前

オーディションになかなか受からないのは当たり前

子役の世界はなかなか厳しいものです。

事務所に登録しても、オーディションになかなかお呼びがかからない…。
オーディションに呼ばれたと思って色めき立って臨んだものの、不合格(不採用)…
オーディションを受けても受けても毎度落ちる…

こんなことは、ザラです。
皆落ちればまだしも、必ず受かる子は出てきます。

あの子は受かったのに、うちの子は落ちた…
また落ちた…
いつも落ちる…

そう思うと、親まで落ち込んできます。
お子さんも、次第に自分に自信を持てなくなっていきます。

しかし、それこそが芸能界であり、その過酷な世界が子役の世界なのです。

ここでとっても大切なことを言います。
よく聞いて(いや、見て)ください。

「オーディションは、落ちるのが当たり前」

そうです、子役に限らず、オーディションに受からないのは当たり前のことなのです。
だって何万人もの人が1人の枠に応募するなんてザラですし、そうすると、例えば10万人の応募があったら99,999人は落ちるんです。

超有名な俳優さんでも「下積み時代は何十回、何百回とオーディションで落とされて諦めかけていた」という話は当たり前のように耳にします。

子役の場合は、そもそも、オーディションに呼ばれるだけでもすごいことなのです。

子役のオーディションには主に2種類あり、一般公募と事務所応募のものとされています。
一般公募は誰でも応募できるもので、事務所応募は所属している事務所に「誰か良い子役さんいないですかね」と募集の知らせが届き、事務所内で募集し、事務所からオーディションに参加するという流れになります。

事務所で募集があったら、まず事務所内での選抜を勝ち抜かなければなりません。
直接「オーディションを受けてみないか」と声がかかることもあれば、募集が張り出されて事務所に所属している子役が応募するということもあります。応募の場合は、事務所が選別したお子さんの保護者に「オーディションを受けるように」という通知が届きます。

いずれにせよ、事務所から「オーディションを受けるよう」言われる時点で、それはもうすごいことなのです!

まして、最終選考まで残ったとしたら、それはもう実力としては合格のようなものです。
最終選考では、プロデューサーや監督が、その役のイメージに合っているかどうかという観点で子役を見ます。つまり、演技力がどうの、態度がどうの、という次元のことは全てクリアした子だけが最終選考に残るということです。
あとは、イメージや、合う合わないの比較になるため、ここで落ちたからといって「何かが足りなかった」ということはありません。

このぐらい厳しいオーディションですので、落ちて当たり前、呼ばれるだけでもすごいこと、最終選考に残れば本当に素晴らしいことなのです。

でも、「不合格」や「落ちる」という言葉は、子どもにはかなり突き刺さりますよね。
落ち込んでしまったり「もう子役をやめる」と言い出したりする子もいることでしょう。
お子さんが立て続けにオーディションに落ちてしまったら、親御さんは何と声かけしてやれば良いのでしょうか。


オーディションに落ちてしまったお子さんに声かけする時に意識したいことは、主に5点です。

1点目:お子さん自身を否定したり批判したりしない
まず「そんなんだからあなたはダメなの」や「あなたはいつまで経っても全然受からない」など、お子さん自身を否定、批判することは絶対にしないでください。
確実に自信喪失となり、更に自己肯定感がみるみる失われていきます。お子さんは「自分はダメな子」と思い込むようになります。子役としても絶望的ですし、人間としても絶対に良くないことです。

2点目:受かった子を批判したりけなしたりしない
次に、受かった子を攻撃しないことも徹底しましょう。
「なんであんな子が」や「あの子の演技はちっとも良くなかったのに」など、悔しがってつい口走ってしまうことがあるかもしれませんが、受かった子は受かったのです。
プロデューサーはその子を選んだのです。これは事実であり、その子にはそれだけの「何か」があったということです。
プロデューサーはプロです。確かな目を持っています。もし納得できなくても、選ばれた子を批判したりけなしたりすることは絶対にやめましょう。

3点目:受かった子と比べて「あなたの方が良かったのに」と言わない
受かった子と比較することもおすすめしません。ただ、演技や態度については「あの子はどうだった?」「あの子と比べて、あなたはどうだった?」と比較してフィードバックすることはしても良いでしょう。しかし「あの子はあんなに演技が上手なのにあなたは…」という比較の仕方はダメです。
また、「あの子よりあなたの方が良かった」と慰めるのもやめましょう。
親御さんにとってはそうであっても、プロデューサーにとってはそうではなかったから、この結果になったのです。その事実はお子さんもきちんと理解しなければなりません。

4点目:なぜ落ちたのか話し合い考えさせる
これはNGなことではなく、やるべきことになりますが、お子さんと「なぜ落ちてしまったのか」話し合うことです。
ただ批判するのではなく「何がいけなかったのか」「敗因は何か」というのを冷静に分析してみましょう。それが、単純に「縁が無かった」とか「雰囲気が受かった子の方がイメージに近かったのではないか」などでも良いのです。それなら「じゃあ気にしなくて良いよね」というところに落ち着きますし、逆に「あの時、演技に集中できていなかった」や「ちょっと良くない態度をとってしまった」など、反省すべき点が見えてくれば、それは次回に生かせば良いのです。

5点目:オーディションは落ちて当たり前ということを断言する
これもとても大切なことです。「オーディションに落ちる」「不合格と言われる」という経験は、人生でそうそうするものではありません。
少なからず落ち込むはずです。そこで、親御さんが「オーディションは落ちるのが当たり前の、宝くじみたいなもんだよ」とひと言伝えてあげることで、お子さんの心はぐっと軽く、明るくなります。「でも、ただの宝くじ抽選じゃなくて、実力で勝ち取る可能性も秘めているから、がんばろうね」といったひと言があると更にGOODでしょう。

これらの5点を意識してお子さんと向き合うことによって、オーディションに落ちることを怖がらずに、果敢にチャレンジしていける子に成長します。
ぜひ、やってみてください。

オーディションになかなか受からないのは当たり前