守秘義務は徹底して守り抜くこと!ちょっとの油断が子どもの夢を潰す

守秘義務は徹底して守り抜くこと!ちょっとの油断が子どもの夢を潰す

守秘義務の重要性は、子役業界では当たり前のことすぎて、そんなのコラムにしなくても…という方も多いのではないでしょうか。

しかし、意外とこの守秘義務を守れずに業界に居られなくなってしまったり、決まった役を降ろされてしまったりするというケースは多いのです。

守秘義務というのは「知り得た情報を外部に漏らさないこと」です。

特に芸能界ではこの守秘義務が非常に厳しく、公開前の番組やドラマ、映画などについての情報は一切漏らしてはならないという決まりがあります。
雑誌などもそうですね。発売前に絶対に明かしてはならない情報というものがあります。

これらの「守秘義務」については、非常に細かく決まりごとがありますが、一番良いのは「解禁されている情報以外のことは一切漏らさない」ということを徹底することです。

一番やってはいけないのが「これぐらいなら良いかな」とか「この人にならコッソリ話しても良いかな」ということです。

迷ったら言わない、これが鉄則です。

実際に守秘義務を徹底せずに子どもの夢を潰してしまった親御さんの話をご紹介しましょう。

ひとつめの事例は、SNSです。

とにかく我が子が大好きで、我が子においては自信満々で常に自慢したいお母様が、バラエティ番組に出演することになったお子さんをどうしても自慢したくなってしまいました。
しかし、もちろん放送されるまでは「守秘義務」を守らなければなりません。

お母様もそのことはよく分かっていらっしゃいました。
お友達にも家族にも口外することなく、放送の日を楽しみに待つことに心に決めていました。

ただ…撮影日から放送日までは結構な日数があります。
お母様は早く自慢したくてたまりません。

そして、ついに我慢できなくなってしまったお母様は、バラエティ番組に出演されていたタレントさんと我が子を撮影した記念写真を、タレントさんの顔が見えないように加工してSNSに載せてしまったのです。

顔は隠したからバレないだろう、お母様はそう思いました。
しかし、世の中のファンというのは恐ろしいもので、タレントさんの私服や背格好、姿勢などから、誰であるかがすぐに割り出されてしまいました。

SNSのコメントに、番組を匂わせるようなものを書き込んでしまっていたということもあり、このお母様のお子さんは、それ以来二度と同じ番組に呼ばれることはありませんでした。


ふたつめのケースは、親友にうっかり喋ってしまったという事例です。

実は守秘義務を破ってしまうケースでは「このぐらいなら大丈夫だろう」よりも「この人ならば大丈夫だろう」という油断の方が遥かに危険性が高く、特に家族、親族、親友など、近しい間柄の人にうっかり喋ってしまい、そこから情報が洩れてしまったというパターンが多いです。

この事例を詳しく見ていきましょう。

ある映画に出演することになった子役さんのお母様は、ご自身のお子さんが有名俳優が主演する映画に出られるのが嬉しくて仕方ありませんでした。

撮影には必ず同行し、許可が下りている範囲でプライベートな写真撮影などもして、映画制作を楽しまれたお母様は、映画の撮影の様子などをご主人にも詳しく話していました。
脚本を読む練習を自宅でするということもあり、ご主人(家族)に映画の内容が知られてしまうのは、制作スタッフも致し方なしとしていましたが、家族を越えての内容の口外は決してしないように、という守秘義務が約束されていました。

しかし、ある時、このお母様の親友がご自宅に遊びにいらした際に、つい自慢したい気持ちが出てきてしまい、わざと「○○(お子さんの名前)、そういえば今日練習してないよ!台本読んでみせなさい!」と言ってしまったのです。

お子さんがお母様の親友の前で練習した台詞は、まさに映画のキーとなるような重大なシーンのもので、予告だけでは知り得ない情報がふんだんに盛り込まれてしまっていました。

お母様はひと事「まだ解禁してないからオフレコでね」と言いましたが、親友は「自分にも教えてくれたわけだし、まぁそんなに広がらなければ良いだろう…」という軽い気持ちで、家族やお友達に喋ってしまいました。
そしてこの話が広まり、ついにはネット上に掲載されてしまう騒ぎにまで発展してしまいました。

この事件で、お母様は事務所からきつくお灸を据えられ、暫くの間オーディションに呼んでもらえなくなってしまいました。


このように、「ついうっかり」や「自慢したいという気持ちを抑えきれずに」という原因で守秘義務が破られてしまうケースは少なくありません。

ちょっとした気のゆるみが、お子さんの夢や将来を潰してしまうかもしれないのです。

守秘義務はしっかりと守り、迷ったら口をつぐむ、これを徹底していきましょう。

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